Q 住宅ローン控除の概略を教えてください
住宅ローン控除は、住宅借入金等特別控除といって、現行では年末の住宅ローンの残高の1%が、その年の所得税から控除される制度です(適用は最大10年間)。サラリーマン(給与所得者)の場合、所得税は給与から源泉徴収されているので、確定申告や年末調整を行うことで、すでに納めている税額から戻ってくる(還付される)ことになります。
Q 住宅ローン控除を受けるための要件を教えて下さい
住宅ローン控除を受けるための大まかな要件は以下のものがあります。① 新築・取得の日から6か月以内に居住の用に供し12月31日まで引き続き住んでいること
② 年の合計所得金額が、3千万円以下であること
③ 住宅の床面積が50平方メートル以上、床面積の1/2以上が専ら自己居住用であること
④ 10年以上で分割して返済する方法になっている一定の借入金があること
⑤ 居住年と前後2年ずつの5年間に、居住用財産の譲渡の特例などの適用を受けていないこと
もう少し詳しい説明は、左のリストの適用を受ける要件を見て下さい。
Q 住宅ローン控除を受けることができる金額はどうなりますか?
所得税から控除される額の計算は、基本的には年末のローン残高✕1%=控除額となりますが、対象となる年末ローン残高には上限が設けられています。上限については、入居した年ごとの税制によって異なるため、いつ家を買ったかによって控除される最大の金額は違ってきます。 (各年別の控除限度額(国税庁HP))現行では、2014年4月1日以降に入居し、2016年が初めての確定申告となる人の場合、消費税8%で購入していれば控除の対象になる年末ローン残高の上限は4000万円です。
そのため、年末ローン残高✕1%=40万円が単年で還付されますので、10年間で最大400万円が控除されるということになります。
ただしこれは年末ローン残高が4000万円を10年間維持した場合の最大額ですので、実際には400万円を享受できる方は少ないものと思います。
Q 認定住宅についてはどうでしょうか?
認定住宅に該当する住宅を取得した場合には、現行(平成26年4月1日~平成31年6月30日)では、控除限度額が50万円となります。控除限度額が増えるというものですので、年末ローン残高が4000万円以下の場合には、認定住宅であったとしても年末ローン残高の1%相当額が控除額となります。
なお、認定住宅とは、以下の2つの住宅をさします。
① 認定長期優良住宅
② 認定低炭素住宅
Q 住宅ローン控除を受けるための手続を教えて下さい
住宅ローン控除の適用を受けるための手続は、控除を受ける最初の年分と2年目以後の年分とでは異なります。控除を受ける最初の年分は、必要事項を記載した確定申告書に、次に掲げる区分に応じてそれぞれに掲げる書類を添付して自分で申告する必要があります。
2年目以後の年分は、必要事項を記載した確定申告書に借入金の年末残高等証明書等を添付して提出すればよいことになっています。
給与所得者は、控除を受ける最初の年分については、上記のとおり、確定申告書を提出する必要がありますが、2年目以後の年分は、年末調整でこの特別控除の適用を受けることができます。この場合、税務署から送付される「年末調整のための住宅借入金等特別控除証明書」・「給与所得者の住宅借入金等特別控除申告書」と「住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書」を勤務先に提出する必要があります。
Q 住宅ローン控除額>所得税となる場合はどうなりますか?
その年の源泉徴収税額<住宅ローン控除、となる場合には、還付される所得税は源泉徴収額が上限になります。なお、このように所得税額から控除しきれなかった場合は、翌年の住民税からも控除(上限13万6500円)される措置があるので、相当の方はこの制度をフルに活用できるのではないかと思います。